現役で成功する人・しない人

大学受験は高校受験と違い、大学に行けず浪人してしまうということが普通にありえます。
近年では入試倍率は平均3〜4倍ほどになっています。
つまり、4人に1人しか大学に合格していない、ということです。
1人で複数の大学に合格している人もいるので、実際の状況はこれよりも厳しいと言えるでしょう。

その一方で、近年の大学合格者総数に対する現役生の割合を見ていくと、
東京大学 現役64.7%/1浪31.4%/2浪3.9%
早稲田大学 現役61.3%/浪人37.9%/その他0.8%
慶応大学 現役55.4%/浪人39.2%/その他5.4%
以上のようになっており、難関大学の合格者においても現役生がその多くを占めているのです。

この2点から分かることは、現役生の中で、大学受験に成功する人と失敗する人がはっきりと分かれているということです。
では同じ現役生の中で、成功する人と失敗する人の中にはどのような違いがあるのでしょうか。
それはひとえに、高3になった時に高1・高2の内容をすべてきちんと覚えているかどうか、という点につきます。

英語を例にとって説明すると、
MARCHレベルの大学の入試英文を読むのに必要な単語数は約4,500語と言われていますが、そのうちの約3,000語は中1〜高2の一般的な教科書中で学習するものです。
そのため、高1・高2のうちから入試のためにまず取り組むべきことは、学校の英語の定期テストで少なくとも70〜80点ぐらいの点数は常に取り続けている事です。
それに満たない点数しか取れないような勉強量だと、学校の授業で習った単語がその時点でもきちんと身についていない、ということになります。
これがまず第一です。
学校の定期テストだけなら、割と高得点を取れている人も少なくないでしょう。
問題は次です。

第二に、学校の定期テストでは毎回良い成績を取れているのに、模試ではあまり偏差値がよくない、という人がよくいます。
これはなぜかというと、せっかく定期テストの勉強でしっかり英単語を覚えても、それを忘れていってしまっているからです。
それでは初見の問題が解けるような実力はついてこないのも当然です。
これを防ぐためには、まず自身で模試の偏差値の重要性をしっかりと認識する必要があります。
大学一般入試では高校の内申点が一切考慮されないので、高校では学校のテストよりも模試の偏差値のほうがある意味重要である、とも言えます。
そして、それまでに学習した内容を忘れないように、何らかの努力をしていかなければなりません。
どのような方法が向いているかは、人によると思います。
文章を読むのが好きな人は、自分のレベルに適切な長文問題集を買ってきて取り組んでいれば、その中で以前学習した単語や文法が出てくるので、自然と復習になります。
単純暗記が得意な人は、最近は様々な種類の単語帳が出ていますから、自分に合いそうなものを一冊買ってきて常に携行しているといいでしょう。
書かないと覚えられないという人は、ドリル形式の単語帳というのもありますし、英作文対策の問題集などもいいでしょう。

とにかく、現役で行きたい大学に合格する為には、高1・高2のうちから何らかの対策を講じていくことが不可欠です。何も考えずに部活やアルバイトにばかり打ち込んでいると、気がつけば浪人生になってしまっている可能性は極めて高いと言わざるを得ません。